実話?リアルな恐怖に震える小説「火のない所に煙は」の感想と紹介

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テレビやSNSで「怖い!」と話題!怖いのに面白くて読むのが止められない!多くの人を震え上がらせた小説「火のない所に煙は」について紹介します!

画像は新潮社公式サイトより引用

小説「火のないところに煙は」

著者:芦沢央
2018年6月22日発売

2019年本屋大賞にノミネート
第7回 静岡書店大賞 小説部門受賞

小説「火のない所に煙は」INTRODUCTION

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!

著者プロフィール

芦沢央(アシザワ・ヨウ)
1984(昭和59)年、東京生れ。千葉大学文学部卒業。2012(平成24)年、『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。ほかの著書に『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『火のないところに煙は』などがある。

新潮社公式サイトより引用

小説「火のない所に煙は」ネタバレしない程度に感想

本当に怖いのは一体何なのか。考えさせられる本でした。この本の内容がすべて本当なのか、それとも脚色されたものなのか、それすら考えることが怖く感じるそんな本です。

すべて読み終わる頃には本にかかっているカバーまでも怖くなる。怖いので二度と読みたくないと思う反面、また読まないといけない。もっと本の中で起こったことを補完したいそう感じさせられます。

ホラーというのは小説が一番不利なものだと私は思います。映像もなく書いてある文章を頼りに読み手の想像のみで、ストーリーが進んでいく。映画やドラマであれば、怖いものの正体が見れる。そのぶん理不尽な怖さはあまり感じられない。理不尽な怖さは小説が一番伝わりやすく読者は、その理不尽さに自ら巻き込まれていく。

この本の怖さは気付いたら理不尽な怖さに巻き込まれているという点です。気付けば理不尽な「ソレ」に怯えて読み進めなければならない。そして至るところに理不尽な「ソレ」は顔を出し読者を嘲笑うのです。

読めば読むほど泥沼に飲み込まれる感覚があります。決して不快ではない、けれど踏み込めば二度と出ることのできない理不尽な恐怖という沼。身近であればあるほどその沼は深く読者を飲み込んで離さない。そんな感覚を植え付けられる素敵な本です。

出会うべきではなかった、けれど出会わなければこの理不尽な妙な心地よい恐怖は手に入れられなかった。私はこの本を今後も何度も読むでしょうし、読むたびに読んだことを後悔するでしょう。けれど何度も手に取りその恐怖に溺れていく、読んだ人を理不尽な恐怖の名のもとに支配していくそんな本です。

小説「火のない所に煙は」の舞台となった神楽坂

新宿という都心にありながらも昔ながらの風景が今も残る街で、石畳の路地裏は風情があります。神楽坂といえば「おしゃれ」「グルメ」「料亭」のイメージが強く、とても怪談の舞台になるようなイメージはありません。この本を読んでから神楽坂へ行った人は本の内容を思い出すかもしれませんね。


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火のないところに煙は 新潮社

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